私たちがどのようなリテラシーを身に付けたらよいのかを考えるにあたり、私たちは人生のどの段階でどのようなリテラシーが求められ、学んでいくかをみてみましょう。
●生まれてから幼児期まで
この世に生を受けた私たちは、しばらくの間は一人では何もできません。自身の生命は周りの人にゆだねられています。
首が座り、寝返りができるようになり、ハイハイができるようになり、立ち上がることができ、歩くことができるようになります。コミュニケーションに関しては、泣くことから始まり、笑うことができるようになり、意味のある言葉を発することができるようになります。
その後、保育園、幼稚園に通い、集団生活ができるようになるとともに、遊びや学習も行われるようになります。幼稚園では「幼稚園教育要領」による学習が提供されます。
「幼稚園教育において育みたい資質・能力及び『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』」として、(1) 健康な心と体、(2) 自立心、(3) 協同性、(4) 道徳性・規範意識の芽生え、(5) 社会生活との関わり、(6) 思考力の芽生え、(7) 自然との関わり・生命尊重、(8) 数量や図形,標識や文字などへの関心・感覚、(9) 言葉による伝え合い、(10) 豊かな感性と表現、の10項目があげられています。
●小学校から高校生まで
小学校、中学校、高等学校になると、学習指導要領に基づいた教育が展開されていきます。平成29年からの学習指導要領の改訂では、「『何のために学ぶのか』という学習の意義を共有しながら、授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していけるよう、全ての教科等を、①知識及び技能、②思考力、判断力、表現力等、③学びに向かう力、人間性等の三つの柱で再整理」されています。
この改訂では、小中学校では、従来の教育に加えて、「外国語教育の充実」、「主権者教育、消費者教育、防災・安全教育などの充実」、「情報活用能力(プログラミング教育を含む)」などがあげられています。高等学校でも同様の視点から、「外国語教育の充実」、「職業教育の充実」、「主権者教育、消費者教育、防災・安全教育などの充実」、「情報教育(プログラミング教育を含む)」などがあげられています。
この学習指導要領では、プログラミング教育、外国語教育、道徳教育、言語能力の育成、理数教育、伝統や文化に関する教育、主権者教育、消費者教育の8つ以外に、「体験活動」、「キャリア教育」、「起業に関する教育」、「金融教育」、「防災・安全教育」、「国土に関する教育」なども充実するとされています。
●高校生までで学習する内容のうち成人の私たちが身に付けることが望ましいリテラシーとは?
文部科学省の新しい学習指導要領は、新しい時代を生きる子供たちに必要な資質・能力を検討して作成されたものです。このため、新しい時代を生きるために必要な内容は子供たちだけが学習するのではなく、私たち大人もその知識及び技能を身に付けておくことが望ましいと考えられるのではないでしょうか。
私たち大人も身に付けたほうがよいものにはどのようなものがあるでしょう。
プログラミング教育、外国語教育、言語能力、理数教育、消費者教育、キャリア教育、起業に関する教育、金融教育、防災・安全教育などは、その範囲や内容のレベルは子供たちと違いがあると思われますが、今の時代にあったリテラシーを私たち大人も身に付けておいたほうがよさそうです。
【引用文献】
1)文部科学省「新しい学習指導要領リーフレット」
2)文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年3月)
(https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_2.pdf)
3)文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」(平成29年3月告示)
(https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf)
4)文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」(平成29年3月告示)
(https://www.mext.go.jp/content/1413522_002.pdf)
5)文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(平成30年3月告示)
(https://www.mext.go.jp/content/1384661_6_1_3.pdf)
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